2006年 04月 30日
いつか読書する日
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評価:☆☆☆☆
30年以上も胸に秘めた思い。「ありえないだろう」と、斬り捨てられないのは、一重に田中裕子の演技を超えたリアリティだ。この女性ならば、そんな生き方もするのではないかと思わせてしまうところが凄い。
ストイックに生きる美奈子の対局にあるのが、子供に食事も与えずロープで縛り、男と自堕落な生活をおくる母親。槐多が、その母親を見過ごせなかったのは、奈美子の生き方そのものに惚れていたからだろうか。
思えば、スーパーのセクハラ店長(香川照之)も、槐多の対局にいる人物として描かれたのかもしれない。自分の言葉がどれだけ人を傷つけるか、デリカシーにカケラもない無神経な男。槐多は人を傷つけたくないから波風立てない生き方を選んだのだろう。
果てしない坂道を駆け上がり、瓶入り牛乳を宅配する毎日。例えば、株価を操作して何億円も儲ける人種には決して理解できない労働であろう。
この映画が描こうとしてのは、現代人が失いかけている純粋なモノ。単なる大人の純愛映画ではない。脚本の青木研次と監督の緒方明は、私たち観客に「さあ、あなたはどう生きるのか?」と、問いただしているのだ。
製作:2005年 日
監督:緒方明
脚本:青木研次
出演:田中裕子/岸部一徳/仁科亜季子/渡辺美佐子/上田耕一/香川照之/杉本哲太/鈴木砂羽
発売日:2006年2月24日
30年以上も胸に秘めた思い。「ありえないだろう」と、斬り捨てられないのは、一重に田中裕子の演技を超えたリアリティだ。この女性ならば、そんな生き方もするのではないかと思わせてしまうところが凄い。
ストイックに生きる美奈子の対局にあるのが、子供に食事も与えずロープで縛り、男と自堕落な生活をおくる母親。槐多が、その母親を見過ごせなかったのは、奈美子の生き方そのものに惚れていたからだろうか。
思えば、スーパーのセクハラ店長(香川照之)も、槐多の対局にいる人物として描かれたのかもしれない。自分の言葉がどれだけ人を傷つけるか、デリカシーにカケラもない無神経な男。槐多は人を傷つけたくないから波風立てない生き方を選んだのだろう。
果てしない坂道を駆け上がり、瓶入り牛乳を宅配する毎日。例えば、株価を操作して何億円も儲ける人種には決して理解できない労働であろう。
この映画が描こうとしてのは、現代人が失いかけている純粋なモノ。単なる大人の純愛映画ではない。脚本の青木研次と監督の緒方明は、私たち観客に「さあ、あなたはどう生きるのか?」と、問いただしているのだ。
製作:2005年 日
監督:緒方明
脚本:青木研次
出演:田中裕子/岸部一徳/仁科亜季子/渡辺美佐子/上田耕一/香川照之/杉本哲太/鈴木砂羽
発売日:2006年2月24日
by movrev
| 2006-04-30 20:37
| 観る価値アリ